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あなたは、何回やってもやりたくなる地獄のような苦しみを味わったことがありますか?

 男性ホルモンが異常に少ないとわかると、お医者さんは男性ホルモンの補充を促します。私の場合は、2週間毎に筋肉注射を1回、1回の量は覚えていませんが注射をしたのです。

 最初は、クラインフェルター症候群(KS)とわかった直後から。期間は覚えていませんが、半年未満だったんではないですかね。

 わかった時のホルモン量が1.0でした。正常値が確か3ぐらいから14、5だったと思うのですが、25年以上も前の事なので正確には覚えていません。そしてその注射によって、8まで量が増えたのです。今は何年も補充していないので、0.5未満ほどです。きっと女性が持っている男性ホルモンの量よりも少ないんではないでしょうかね。


 男性ホルモンを補充すると何がどうかわるか。
これは、私の場合です。人によってもどうなるかは差があるようです。

①髪の毛の質が変わる。
②声変わりする。
③にきびが出る。
④体毛が増える。
⑤筋肉がついてくる。

 そして、一番の悩みは、性欲が超大変。
その頃は独身だし彼女がいたわけでもないので、一人で始末するんですけれど、1日の中で数回やってもまだ治まらない。そのうち体力が限界に来て眠りに落ちることになります。
このKSの症状の人の多くは、例えば女性を見てもムラムラこないんです。例えば、女性のセクシーポーズを見てもムラムラしないんですよ。だから注射後の異常な状態がわかると思います。
もしも、体力があったら、きっと命尽きるまでやり続けることになるんではないかと思います。

 そして、KSは大抵の場合、精子が極端に少ないか、または無いのです。私は全く無かったんですが、そうなると、セックスの意味を考えてしまいます。正直、やりたくないんです。やりたくないのに、ずっとムラムラし続けて、自分で始末しないとならない状態、って想像できますか?

 注射の効果は結構長くありました。私は2週間に1度の筋肉注射でしたので、男性ホルモンの補充したときから、それに耐えられなくなって止めるまでの間+1ヶ月(効果が薄れるまで)ずっとそんな状態が続きました。

 死ぬかと思いました。

 1回めのそのときは、途中で入院してしまったので中断しましたが、その何年か後で、再挑戦したのですが、2回めは半年ほど注射し、半年+1ヶ月苦しみました。


 で、私の場合はそうでしたけど、他のKSの人の中には、この補充をしないと頭痛が治まらないとかの症状もあって、打たないわけにもいかない、っていう人もいます。また性欲だけでなくひどい痒みに襲われる人もいます。打たないわけにもいかず、打ったら打ったで副作用もある、というそんな治療で苦しむのです。でもやらないと、骨粗しょう症になったり、筋肉がつかなかったり、私のように体がだるかったり(万年更年期障害)するのですね。

 そして、ホルモン補充をしても心は男になっていかない、ってのもやっかいなものの一つです。



 でだ、こういう状態を理解できない人が多いのですね。
私らKS以外にも様々な症状で様々な対応をしているんだけど、実際にはお医者さんが描くようなバラ色の解決策って無いものですよ。

 私が2回めにホルモンを補充したときの主治医なんて「どうだ、元気になっただろう」って。もう殴ってやろうかと思いました。全く理解していない超有名な大学病院の教授でしたよ。そんなもんです。
また友人でも、無精子で性欲が強くて辛い話をしたら「俺だったら遊びまくりだな」って言われましたね。こいつは、本当に殴ってやれば良かったと、今でも思い続けています。本当に腹立たしいし、わからないやつですよ。

 でも、今、半世紀も生きてきていると、いろんな「わからない人たち」がいますよ。
会社の上司でも「私はそういうのわからないから、ノータッチだからね」って聞こうともしませんでした。なんて可哀想な上司なんだろうと、私は呆れすぎて同情さえしました。もう何年も前のことですけど。KSとわかって茫然自失な私に対して「幸せにはなれない」と言った親族もいました。ただ、話を聞いてもらいたかった私は、さらに落ちていって、それから8年間、暗い暗い思い出したくないような人生を歩んだんです。

 いくら医療技術が進んでも人は200年も生きられない、っていう話を聞いたことがあります。そして、大往生で亡くなる方も少ないものです。事故で一瞬の間に亡くなる方は別として、大抵の場合、なんらかの病気でじわじわと逝くわけですけれど、そのときになって、大変だと思ってもしょうがないんですよね。
また、自分の親がいつまでも元気だ、という考えは妄想です。
そして、人生を全うするまで誰かが面倒をみなければいけないこともあります。大金を出せば、そういう施設もありますが、本当に、その施設が親にとって幸せかどうかなんてわかりません。面倒を見る側にとってはかなり楽になりますけど。たぶん。

 何年も親の面倒を見ている人たちへの理解も意外に少ないものです。

 まぁ、結局、わからないんですよ。知りたくないんですよ。

 知りたくもなくって、わからない人たちにお願いです。わからないなら、どうか当事者たちをそっとしておいてくださいませんか。知った口をきかずに、その口を閉じて、そして、もし、それでも当事者のためを思いたいのでしたら、当事者の話をじっくり聞いて上げてください。それに対する返事は何もいりませんから、どうか、話し相手になってください。



 お願いします。


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by KSofNaka | 2013-07-02 19:02 | 治療 | Comments(0)

クラインフェルター症候群(KS:47XXY)の人生を赤裸々に、集大成のつもりで綴ります。化学物質過敏症(CS)もね。@ks10cs2naka


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